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2023.09.08

産業用ロボット導入の費用相場は?費用要因と確認点

こんにちは、経営管理部の野口です。

産業用ロボットの導入は、製造業界において効率化と競争力向上を促進する重要なステップとなっています。
しかし、導入には検討すべき多くの要素が含まれ、「費用」もその一つです。
ここでは、日本国内における産業用ロボット導入費用の相場や、どういうことに費用がかかるか、について確認してみます。

産業用ロボット導入の費用要因

産業用ロボットの導入に関わる費用は、以下の要因によって大きく影響を受けます。

01

ロボット本体のコスト

ロボットの種類や機能によって価格は異なります。単純なアーム型から複雑な協働ロボットまで、幅広い選択肢があります。

02

ロボット周辺設備や周辺機器

まずロボットを設置する架台があり、安全柵があります。そしてラインやロボットなどを動かす制御盤、前後のラインにワークを運ぶベルトコンベアなど周辺設備や機器があります。

また、関連装置としてロボットの作業内容に合わせたエンドエフェクター(※)やセンサーやカメラなどが導入費用の違いに影響します。

※エンドエフェクターとは:ロボットの先端に取り付けられ、掴んだり、ネジを締めたり、溶接したり、磁力を使ったり、塗装をしたりなどの、対象のワークに作用させる部分のことを言います。(ロボットハンドともいう)

※産業用ロボットの導入において最も時間がかかる検討箇所であり、エンドエフェクタや周辺設備の違いでロボットの種類や型式も変わることもあります。

03

システム統合

ロボットを既存の製造ラインに統合するために必要なシステム開発やプログラミング、カスタマイズにかかる費用があります。

03

ロボットティーチングや保守サポート

ロボットへのティーチングや、導入後の保守・サポートも費用として考慮されます。データ蓄積には運用費もかかります。

システム統合やロボットティーチングを含む保守サポート、メンテナンスなど殆どの場合はロボットSIer(システムインテグレーター)に依頼することになります。

主に、導入の流れとしては

  • 相談から契約まで
  • ヒヤリング、コンサルティング
    企画構想・概算見積もり提示
    基本設計・詳細設計・本見積もり提示
    契約
  • ロボット製作から納品まで
  • システム設計
    周辺機器やハンド(エンドエフェクター)の設計/製造
    立会検査
    製造ラインの組立・搬入据付工事
    ティーチング
    試運転・生産立会い
    検収・引渡し
  • 導入後
  • 保守サポート

産業用ロボット導入費用の目安

産業用ロボットの導入費用は、導入するロボットのタイプや規模によって大きく異なりますが、一般的な目安としては数十万円から数百万円になることが多いです。

小型で単純なアーム型ロボットの場合、本体の価格が約数十万円から始まります。

一方、高速・高精度であったり、荷重量が大きいもの、複雑な協働ロボットや自己学習型ロボットの場合、ロボット単体でも数百万円以上の費用がかかります。

下記参考情報:一般財団法人日本ロボット工業会「ここが知りたい!ロボット活用の基礎知識」

想定例①:部品の工作機械への着脱工程

ロボット本体 垂直多関節ロボット 300万円×1台 300万円
ロボット関連装置 ロボットハンド 40万円×1台 70万円
ロボット架台 30万円×1台
ロボット周辺設備 安全柵 30万円×1台 90万円
製品ストッカー 30万円×2台
システムインテグレーション関連費 構想設計、リスクアセスメント 100万円 520万円

詳細設計

  • メカ設計
  • 電気制御設計
  • ハンド設計 等
200万円
製造組立 120万円
設置工事、調整、運搬 80万円
安全講習 20万円
部品の工作機械への着脱工程

※各費用はシステムの要求精度や複雑さにより異なります。

想定例②:製品の箱詰め工程

ロボット本体 パラレルリンクロボット
400万円×2台 800万円
ロボット関連装置 ロボットハンド 80万円×2台 400万円
カメラ 120万円×2台
ロボット周辺設備 コンベア 1,000万円×1式 2,500万円
製函機、封緘機 1,500万円×1式

システムインテグレーション関連費

(システム規模が大きくなったり、
画像処理等の高度な技術を使用すると
金額が大きくなります。)

構想設計、リスクアセスメント 200万円 1,350万円

詳細設計

  • 機械設計
  • ハンド設計 等
600万円
製造組立 300万円
設置工事、調整、運搬 200万円
安全講習 50万円

※各費用はシステムの要求精度や複雑さにより異なります。

上記参考情報:一般財団法人日本ロボット工業会「ここが知りたい!ロボット活用の基礎知識」

SIerの選定と標準化・モジュール化

SIerは、標準化とモジュール化によって、複雑なシステムの開発や統合を効率化することができます。これにより、より迅速かつ効率的なロボット導入が可能となり、結果としてコスト削減や生産性向上に繋がることがあります。エンドユーザーはSIerを選ぶ際に、そのSIerがどれだけ標準化とモジュール化を活用し、コスト削減を実現できるかを評価することが重要です。

SIer選定の際には、実績や業界の理解、カスタマイズ能力、サポート体制などを検討することで、最適なパートナーを選び、効果的な産業用ロボット導入を実現する一助となるでしょう。費用の最適化と生産性向上のバランスを保ちつつ、戦略的な導入を検討してください。

産業用ロボット導入の費用は導入後の生産効率向上やコスト削減による収益増加と対比して考えましょう。
総合的なコスト効果を検討し、最適なロボット導入戦略を選択することが重要です。

サンビットでは、製造業向けの産業用ロボットや自動機の導入支援を行っています。

ロボットの選定から最適なロボットシステムの設計・施工・保守・メンテナンスまで、ワンストップでサポートいたします。また、補助金制度の申請サポートも行っておりますので、中小企業でも安心して産業用ロボットを導入することができます。

私たちはお客様の成功を支えるために、導入後も評価と改善を継続的に行い、最適なソリューションを提供しています。
ご相談やご要望がありましたら、いつでもお気軽にお声掛けください。
私たちはお客様のビジネスに貢献し、共に成長していけるパートナーでありたいと考えています。

お問い合わせ

サンビット株式会社
担当:RM部 山野 銀哉
e-mail:g_yamano@sunbit.co.jp

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