Blog

BLOG

2023.08.07

元京セラ人事部長セミナー「ポイントは業績を上げ続けること」

このエントリーをはてなブックマークに追加

代表の中野です。

先月、私が加入している勉強会の講演会にて、京セラで30年以上、採用、教育、人事管理の実務を経験されてきた株式会社スターフィールド代表取締役である星野周氏のセミナーを受講いたしました。

京セラの年商が数百億円から1兆円企業規模になるまで、京セラ創業経営者の稲盛和夫氏に間近で接し薫陶を受けてこられた、まさに京セラ成長期の生き字引といえる方です。
稲盛和夫氏や京セラに関する書籍は多数ありますが、人事評価という切り口で書かれたものはあまり見たことがなく、大変興味深い内容でした。

冒頭、京セラでの体験や特長についていくつかご紹介されました。

成長期の京セラはすさまじいスピード感だったそうです。
まるでゴールがみえない100m走のようだと表現されていました。
人手が足りないため、多い時には毎週100名ほど採用していたけど、それでも会社の成長に全く追いつかない。
面接に来た社員が採用手続きを経ないまま現場に配属されてしまうという、今では考えられないような事態もあったようです。

また、アメーバ経営をベースにした部門別業績管理システムにより、末端の社員一人一人まで経営への参画意識が高かったそうです。
逆に言えば自主性が高くなければ、ついていけない組織だったといえます。

京セラは「稲盛和夫の技術を世に問う」を発端に設立された企業です。
一般的にカリスマ性が高い創業社長にはモノ申せない雰囲気があるのは、自然なことかもしれません。
しかし京セラでは言いたいことが何でも言える風土があり、心理的安全性はすこぶる高い組織だったそうです。
巷で話題の大手自動車販売会社とは、このあたりが決定的に異なるようです。

京セラの経営システムのベースは経営理念、フィロソフィにあります。


経営理念は言い換えれば社会における会社の存在意義です。
その上にアメーバ経営という部門別損益採算システムが構築されています。
人事制度は、その経営理念(フィロソフィ)とアメーバ経営の上にちょこんと乗っかるイメージです。

ちなみにアメーバ経営は非常に複雑なシステムで、しっかり運用するにはそれなりに高い障壁があります。
星野氏いわく、いきなり本格的にアメーバ経営導入を目指すのではなく、亜流の「なんちゃってアメーバ経営」から始めてもよいのでは、という見解も示されました。

他の特長として、

  • 役職手当はない
  • 役職での呼称はない
  • 業績が良くても賞与は増やしすぎない
  • 部門間の業績の優劣で賞与額に差をつけない

などがあります。

最後に、人事評価システムで一番大事なことは何か、という質問に対しては、
「業績を上げ続けること」
という回答でした。

たしかにいくら精緻な人事評価システムを構築しても、競業他社を大きく下回る年収では社員が心から満足することはありません。

稲盛和夫氏が提唱される「心を高める、経営を伸ばす」を再認識させられた一日でした。

カレンダー

«8月»
  1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31   

最近のエントリー

AI活用時代に私たちが直面する新たなリスクと向き合う【第15回 情報セキュリティブログ】

2026.05.22

生成AIの普及により業務効率が高まる一方で、AIを悪用したフィッシングメールやマルウェア作成、ディープフェイク詐欺などのリスクも広がっています。さらに、業務利用では機密情報の入力、誤情報の利用、著作権侵害にも注意が必要です。AIを安全に活用するため、入力情報の管理、出力結果の確認、不審な連絡への本人確認の重要性を解説します。

走った記念を集める楽しみ「国道ステッカー」

2026.05.18

旅先や休日のお出かけで、国道ステッカーを集めてみませんか。販売店は道の駅だけでなく、コンビニや温泉施設、フェリー内売店などさまざま。現地でしか買えないため、販売店を探す時間も楽しみのひとつです。走った道の記憶を残しながら、気軽に旅の楽しみを広げられそうです。

Autodesk FusionとAI連携(MCP)実現できる設計DXの可能性

2026.05.11

Autodesk FusionがMCP(Model Context Protocol)に対応したことで、生成AIがCADを直接操作できる可能性が広がっています。本記事では、Claude DesktopとFusionを連携し、プロンプトによる3Dモデリングや三面図からの3D化、アセンブリ情報の取得を実際に検証しました。現時点では細かな設計意図の指示が必要な場面もありますが、部品情報の抽出や見積・原価計算の自動化など、設計業務と基幹システムをつなぐ新たなDXの可能性が見えてきました。

春季労使交渉に思う、“ビッグステイ”を選ばれる会社の条件

2026.05.07

春季労使交渉のニュースを見ると、大手企業との賃金差を実感します。今回は、物価上昇率や民間給与実態統計をもとに、当社の平均年収の位置づけを確認しました。転職ではなく、今の会社に留まることを前向きに選ぶ「ビッグステイ」。その選択肢になれる会社であり続けるために、何が必要なのかを考えます。

アーカイブ

ブログ内検索

  1. TOP
  2. BLOG
  3. 元京セラ人事部長セミナー「ポイントは業績を上げ続けること」