2024.04.08
こんにちは、経営管理部の本多です。
世の中には、知っていればお得に利用できるのに、それがあまり周知されていないがために、知らずに利用して余計なお金を使ってしまう、ということがあると思います。
今回はそんな話です。
私の実家近くに住む高齢の親戚(大叔母)が骨折してしまい、入院することになりました。
経済的にも裕福というわけではありませんし、質素を好む大叔母でしたので
個室(特別療養環境室)は望んでおらず大部屋を希望していました。
ところが、かかりつけの病院ではタイミング悪く大部屋が空いていなかったため、
空いたら大部屋に移すということで、ひとまず個室に入院することになったのです。
結果、入院を予定している3ヶ月間のうち、およそ1ヶ月程度は個室で過ごすこととなり
差額ベッド代(個室代)は約10万円程かかっていました。
さて、患者の希望によらず病院都合で個室に入室せざるを得なかった場合、
病院側は差額ベッド代を請求すべきではない、というルールがあることをご存知でしょうか。

私が今回の大叔母の話を聞いたのは、入院してから1ヶ月は経った頃でした。
そもそも個室代について疑いを持ったのは、私も数年前に骨折で入院した際に、
大部屋が空いているにも関わらず、かなり強引に個室を勧められたという経験があったからです。
押しに弱い人なら個室に入らされるかもと感じるほどでした。
もしかすると大叔母も病院側の営業トーク(?)のようなものに言いくるめられて
個室に入ってしまったのでは、と疑問を抱いたことから差額ベッド代について調べたところ
上記の情報に行き当たったというわけです。
もともと私の母が大叔母の入院に関しての保証人として病院側と話をしていましたが、
母も高齢ということもあり、話の内容をしっかり理解できていないこともありましたので、
ここからは、私が病院側との交渉を引き受けることになりました。
まずは担当医と話をしましたが、担当医では判断できないということで整形外科の部長と直接話をすることになりました。
差額ベッド代が不要となるケースについて、情報源は厚労省の通達(保医発0304第5号、R4/3/4)です。
交渉するにあたり、上記資料を元にポイントを整理し、争点は下記になると考えました。
①通達には、大部屋が満床であるという理由で個室に入院させた場合は、差額ベッド代は請求しない旨の記載があるが、その認識があるか。
②前項(差額ベッド代を負担しなくてよいケース)について、患者に説明は行ったか。
③個室を使うには同意書の提出が必要とあるが、同意書にサインをしないという選択肢を提示したか。
いざ交渉の場に着くと、大叔母が最初から大部屋を希望していたことと①まで話をしたところで、先方からそういうことであれば個室代は不要と言われ、免除していただけることとなりました。
医師は基本的に患者の病状や治療方針などに注力しているため、個室の費用に関することなどはあまり意識されていなかったということです。
交渉が難航する場合も想定していましたが、話をしてみるとあっけないものでした。
最後に先生が、「そういうことで困っているのであればもっと早く相談してほしかった」とおっしゃられました。
みなさんお気づきかと思いますが、私の母や大叔母はそもそも病院側の都合で個室に入院した場合、個室代が不要となるケースがある、ということさえ知りませんでした。相談することができるはずもありません。
ですので、ついでに②と③についての見解を尋ねましたが、こちらについてははぐらかされたというか、はっきりとした回答はいただけませんでした。
ひとまず今回のケースでは、個室代を負担せずにすみました。
医療の現場では、患者のために力を尽くしていただいていると思いますし、適正な病院経営のため必要な治療代等を拒むつもりはありません。ただ、同様のケースで個室代を支払ってしまっている人も多くいるのではと思います。
今回の話が何かのお役に立てれば幸いです。
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