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2024.07.08
春の立山黒部アルペンルート:巨大な雪の壁を求めて
皆さまこんにちは。経営管理部の大津です。
今回は、今年5月に訪れた「立山黒部アルペンルートの旅」について書いてみます。
以前、TVでみた「雪の大谷」をこの目で見てみたいと思い、計画を立てました。
「立山黒部アルペンルート」は、標高3,000m級の峰々が連なる北アルプスを通り抜け、長野と富山を結ぶ、世界有数の山岳観光ルートです。
雪の大谷の見どころは、何といっても巨大な雪の壁です。観光できるのは寒い2月だと思っていたのですが、2月は、雪が多すぎて観光はできないのです。
例年、1月下旬から4月まで大型ブルドーザーで雪に埋もれた道を掘り進む作業が続き、一般に開通されるのは4月中旬からです。
一般車両は通行規制があるため、観光するにはツアーで行くしか方法がありません。
ネットで検索し、阪急交通社のツアーを利用しましたので、詳細をレポートします。

1日目:
福岡空港から富士ドリームエアライン(FDA)で名古屋小牧空港へ行きました。
初めてのFDAはタラップ搭乗で、小牧空港は、とてもかわいく、小さな空港でした。
セントレア空港ができるまで(2005年2月開港)ここで頑張っていたなんて、信じられません。
小牧空港からは観光バスに乗り、東海北陸自動車道を走って「上高地」を観光しました。
上高地は、通年マイカー規制を行い山々の自然を守っている景勝地です。
標高1,500 mに位置する梓川沿いを歩くと、木々の間から吹く清々しい風と川のせせらぎに癒されます。
目の前には美しい北アルプスの山々が迫り、山頂は真っ白な雪と青空が何とも言えないコントラストを作り出していました。
ゆっくりと散策した後は、アルペンルートに近い長野県「大町温泉」で宿泊しました。
2日目:
いよいよ「立山黒部アルペンルート」へ向かいます。
私たちは地図の右側にある長野県大町温泉郷から出発し、左側の富山県立山駅へ1日かけて向かいました。
扇沢駅から電気バスに乗り、プロジェクトX でも特集された「黒部ダム」を見学しました。
目の前に広がる迫力の光景には思わず息を呑みました。
黒部ダムは1956年に着工され、7年の歳月をかけて、1961年1月に送電を開始 し、1963年6月5日に完成しました。
当時、サンビットの社員はまだ誰も生まれていない時代でした。
不便な山の中に、こんな巨大なダムを作り上げた人々の苦労は想像を絶するもので、一瞬言葉を失いました。
ダム建設中に殉職された方は、なんと171人もいました。
このダム建設は、日本の発展に欠かせなかった電気の需要を大進歩させた「世紀の大事業」と呼ばれています。
そこからケーブルカーやロープウェイ、トロリーバスを乗り継いで、ルート最高所にある室堂(むろどう)へ。
いよいよ「雪の大谷」が目の前に現れました。
どうやって除雪するのか、不思議な雪の道が広がっています。この絶景を、ずーっと見たかったのです!
冒頭でもお話ししましたが、立山黒部アルペンルートの除雪作業は、1月下旬からはじまります。
閉鎖されている間に、積りに積もった雪の中からまずは道を探し出します。
道の位置を、GPSで確認しながら、雪に埋もれた道をブルドーザーで少しずつ掘り進めて行きます。
約1メートル掘り進んだ後は、通常の除雪車の2倍近い吹き上げ能力を持つアルペンルート専用のロータリー除雪車で、雪の壁を切り開いていきます。
こうして、世界的にも有名な「雪の大谷」が、出現するのです。
山の天気は曇りで、少し霧が出ていましたが、「雪の大谷」を歩くことができました。
専用除雪車の展示もあり、見渡す限り広がる雪の草原はとても美しい光景でした。
標高2,450mのレストラン立山で昼食です。
こんな高い場所でも、300名のツアーに対応でき、宿泊も可能だそうです。
室堂で雪の大きな壁を散策した後は、高原バス、ケーブルカーと乗り継ぎ、終点の立山駅へ着きました。
そこからは最初に乗車した観光バスで、富山市内へ向かいホテルに宿泊しました。


立山黒部アルペンルート
3日目:
旅の最終日は、富山県の2ヵ所「黒部渓谷トロッコ列車」と「世界遺産白川郷」を観光しました。
まず、黒部市の黒部川沿いにある全長20.1kmのトロッコ電車を体験しました。
この鉄道は元々、発電所建設のための資材運搬用に工事されたものです。
大正時代に着工され、長い年月を経て、現在では黒部渓谷の美しい大自然を楽しむための観光専用トロッコ電車となっています。
黒部峡谷とは?歴史や沿革をご紹介│黒部峡谷鉄道トロッコ電車
そして、最後に「世界遺産 白川郷合掌造り集落」を見学しました。
修学旅行で訪れたことがあるので、今回が2回目ですが、大人になってから見える新しい発見が沢山ありました。
いくつかの合掌造りを見学できますが、一番のおすすめは「明善寺庫裡郷土館 (みょうぜんじくりきょうどかん)」です。
ここは村内で最大の合掌造りの建物で、5層のうち4層まで公開されています。
3層と4層には昔ながらの民具や農機具が展示されています。
一階の囲炉裏には夏場でも火が入り、薪の燃える音や匂いも含めて、古民家の空気感が味わえます。
また、お寺なので立派な本堂もあります。4層から眺める村の景色は、とてもノスタルジックで素晴らしいものでした。
白川郷観光協会


ここまで、盛り沢山の観光ができるのもツアーならではの醍醐味です。
ただし、健脚でないと参加は難しいかもしれません。
スマホの歩数計は毎日12,000歩を超えていましたが、とても有意義な3日間でした。
ツアーの添乗員さんやバスガイドさんが同行し、その都度説明してくださるので、テンポよく観光ができ、それもまた、新鮮な体験でした。
まだまだ興奮が冷めず、頭の中ではあの名曲「地上の星」が流れています。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。