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2024.02.02
Salesforce のシステム管理者の設定 〜ビジネスプロセスを設定してみよう(前編)〜
こんにちは、クラウドソリューション部 カスタマーサクセスチームの坂井です。
今回は、ビジネスプロセスの設定ついて説明をします。
今回は、システム管理者向けの内容になっています。
システム管理者でないと、ビジネスプロセスは設定できません。一般ユーザの方はビジネスプロセスの設定はできませんので、参考に確認して頂けると幸いです。
ビジネスプロセス
ビジネスプロセスとは、オブジェクト固有のプロセスを示します。
セールスプロセス(商談)
紹介 > プレゼン > 見積提示 > 契約
リードプロセス(リード)
潜在顧客 > 興味あり > リード獲得
サポートプロセス(ケース)
新規 > 担当者割り当て > 回答済 > お客様確認中 > 解決済
このように、ビジネスプロセスでは固有のフェーズを持っています。
例えば、
カーディーラー
カタログ請求 > 試乗 > 見積提示 > 納車
ハウスメーカー
カタログ請求 > 内覧会 > 見積提示 > ローン審査 > 引き渡し
など、業界によってプロセスが異なると思います。同じ組織内であれば、レコードタイプを使うことで同じオブジェクトに対して複数のビジネスプロセスを設定できます。
パス
「パス」はビジネスプロセスを視覚的に表現するコンポーネントです。
また、ビジネスプロセスなどの選択リストの表示に適したコンポーネントです。
パスで、フェーズをクリックして、「フェーズを完了としてマーク」をクリックするだけで、フェーズを変更できます。
詳細の中の選択リストでもパスでもどちらでもフェーズを更新できますが、一番上に配置されるので、目線の移動もカーソルの移動も最短でフェーズを更新できます。
成功へのガイダンス
例えば、「コンタクト」というセールスプロセスがあったとして、
人によってコンタクトの意味合いが変わってきます。
受付スタッフに挨拶するだけで、コンタクトなのか
担当者と名刺交換をして、コンタクトなのか
人それぞれで、定義のブレが生じることがあります。
このような場合にパスの下に「成功へのガイダンス」を表示して、
何をしたら次のフェーズに進めるのかをテキストで表示することが可能です。
支店単位でもフェーズのブレは生じると思いますので、社内のルールをちゃんと定義し、成功へのガイダンスを表示することで売上予測の精度も向上します。
重要な項目
「重要な項目」は、次のフェーズに進むためにヒアリングしてほしい項目です。
入力規則ではないため、必要に応じて入力規則を設定します。
営業の基本として、セールスプロセスにはBANT項目というヒアリングの手法に使う項目が存在します。
B (Budget) | → 予算があるのか?(支払い能力があるのか?) |
---|---|
A (Authority) | → 決裁権のある担当者は誰か? |
N (Needs) | → その製品を使う必要性はあるのか? |
T (Timeframe) | → 導入時期はいつか? |
予算もニーズもあって導入時期も決まっていて、その商談の決裁権を持っている人がわからないと、その商談の成約は困難になります。
ニーズもあって導入時期も決まって決裁権のある担当者と話をしていますが、そのお客様に支払い能力がないと、同じように成約は困難になります。
例えばカーディラーとして、
新車購入1年目のお客様は、「Needs」もしくは「Timeframe」がないので営業が難しいと思います。
また学生のお客様も「Budget」もしくは「 Authority」がないので、営業が難しいと思います。
このように、業界固有の確認すべき項目(BANT項目)が決まっているので、商談の精度を向上するための「重要な項目」に登録が可能です。
最近では、BANT項目が業界で枝分かれして、業界固有や企業固有の項目をプラスされることが多いです。
数字を持っているセールスマンほど、商談に必要なヒアリングが早いと思われます。
自然に聞き出すテクニックを持っています。
サポートプロセスでも、最初の受付でヒアリングが少ないサポートスタッフは解決が遅く
最初にヒアリングをたくさんしてくるサポートスタッフは解決が早いような感じで、重要な項目はセールスプロセスではなく、ビジネスプロセス全般で使えます。
【動画内容】 (10分半程度 ※音声が流れます)
- ビジネスプロセスとは
- フェーズ
- ビジネスプロセスの設定
- パス
まとめ
余談ですが、サポートプロセスでは、エスカレーションという条件によって担当者をよりスキルのあるユーザに所有権が移行する機能があります。
つまり、ビジネスプロセスによって、所有者が移行します。
この仕組みを階層型(Tierモデル)といい、Tierモデルではお客様がたらい回しなってしまう懸念があるため、最近ではスウォーミングモデルという、最後まで同じ担当者が担当する仕組みに変わってきています。スキルのあるユーザは、スーパーバイザーという役割をする構造にシフトしています。スーパーバイザーは顧客を担当しないため、たくさんのケースを解決に導くことができます。他のビジネスプロセスにも、フェーズによって所有権が移行するビジネスケースも存在します。標準オブジェクトでは、状況に応じて所有者の割り当てを設定できたり、チームへの所有権の割り当ての可能な設定も存在します。
また、「成功へのガイダンス」や「重要な項目」を設定しておくと、会社の理念が「成功へのガイダンス」や「重要な項目」に詰まっていて、社員教育でも使えます。
ちゃんと「重要な項目」を埋めることができているセールスマンは、統計的にも実際の営業成績も多く残しています。
COVID-19でワークスタイルが急激に変化したように、「重要な項目」も毎年変化しますので、毎年検証してアップデートしていくことも重要ですので、Salesforce の設定の参考にしていただけると幸いです。