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2024.09.24

「一つ残し」という文化

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こんにちは、経営管理部の野口です。
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おそらく日本全国にあるらしい、大皿料理での最後の一つを残す文化について。

これを人はどう説明しているだろうか、とネットで検索してみるも、
残ったものを「遠慮の塊」だとか、「神様(仏様)のもの」だとかいう説も散見されたものの、どうもしっくりこなかったので過去の実体験による記憶や感じたものを引っ張り出して、私なりに無理やり説明してみようと思います。

それは確かに遠慮の類いではあるものの、それだけではない。

遠慮であるならばそこにひとこと言葉があってもいいだろう。最後の一つ、どうぞ、という「他者へ譲ること」が文化であるならば、それは促すまでがセットであるはずです。
家庭にあってはそういうこともあったけれど、この現象の特徴は「気づけば一つ残っていた」という状態にあるかと思われます。

そこにあるのは何か。

例えば、「迷い箸」や「渡り箸」と言われる、どれにしようか迷ってる様が箸の動きに出ていると良くないとされる、これにも通づるものがあるように感じます。

箸を突き出して今からどれを掴むか迷う。目を覆いたくなる状態です。
それは良くない。

もうそろそろなくなる。
最後の一つが皿に残りそう。
この時。

言ってしまえば最後の一つになる「前」に内なる食欲が消失している状態になっていることが望ましい。もしくは、自然に消失している。

これが席についている全員に起きているのでわざわざ「お食べなさいな」と譲ったりもしない、ということではないか。

もちろん、一人前の食事では一つ残しは起きないので、譲るという要素がそこにあることは明白です。

では、譲る、というのが純度の高い表現になっているか。

欲の制御

また制御などと西欧的な言葉で易く平たく伝えようとしてしまいましたが、
「譲っている」のか、「戦わない」のか、どこで仕舞うのか。

譲る譲られのむず痒さ。

特に「譲られ」のむず痒さを知っているがゆえに、言葉にしないということもあろうかと思います。

譲ることが美しいとされる、というゴールがあるわけではない。
自分の状態がどうか、ということが箸の動きであり、佇まいがどうか、ということが重要ということなのかなと。

ここまで辿ったところで、突然ですが「師弟関係」について考えてみます。

師弟関係?

師匠と弟子という関係で、よく日本では「見て覚える」「見て(技術を)盗む」と表現されてきました。

寿司職人として一人前になるまでに最低でも10年、修行は一生続くもの、というのが一般だとされてきましたが、
資本主義の精神からするとその「非効率」さが揶揄され、
「数ヶ月で寿司職人を自称できて海外で活躍、年収ウン千万円!」という専門学校のニュースも飛び交って20年近くなるかと思います。

しかし師匠は弟子に、基本、言葉で教えるということをしません。

せいぜい、それはいかん、と禁ずる程度でしょう。

なぜだめなのか、どこが悪いのか、は自分で気づかなければならない、という世界です。

更に言うと、師匠が何も教えてくれなくても師匠の姿から見出すことは無限大である、それは師匠から伝承されているようで
其実、己次第ということなのだと思います。

日本語には主語が省略されることは普通ですが、それも私たちの「空気を読む」「察する」文化の表れかもしれません。

多くを語らない、語りすぎない、要点を先に端的に述べない。これらはおそらく武士道的美意識によるものかもしれません。

ほんの祖父母の世代までは、そういう世界観が普通だったなと思います。

親世代や私の世代では、
国内でも標準化、均質化が広まって、地域固有の文化や言葉などが異質なものとしてトピックに上がったりしたな、という実感があります。

そう考えると、「一つ残し」をどんどん見かけなくなることも寂しさを感じたりします。

タイパ・コスパ原理主義者に指摘される「一つ残し」。
そこには侘びも寂びもない、無慈悲な指摘。

次回は、方言や訛りについて考察していきたいと思います(違)。

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