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2026.04.27

水木しげるさんの戦記を読む|戦後90年に向けて

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こんにちは、経営管理部の野口です。

ある読書生活の中で一息つくために、積ん読本の中から水木しげるさんの「ゲゲゲの人生 わが道を行く」という本を手に取りました。

こちらは、水木しげるさんの幼少期から従軍、戦後、漫画家、その後の人生を網羅的に綴ったエッセイです。

ここで描かれている戦争体験が大変強く印象に残ったので、他の著作も読んでみたいと思い、その流れで五冊ほど読んでみたので、今回はその紹介をします。

同じ戦争の話なのに、なぜかもっと知りたくなる

読んでいてまず感じたのは、水木しげるさんの文章が「読ませる」ということです。
確か本業は漫画家だったはずですが…、描画だけでなく文才もある、ということなのだと思います。

本によってトーンは違いますが、どれも文章の力でどんどん引き込まれますし、他にももっと読みたくなるのです。

そしてもう一つ、不思議だったのは、どの本にも従軍経験が書かれているのに、わかった(=満足)、とは全く思わないことです。

同じ出来事を扱っているはずなのに、ある本では細部が詳しく描かれ、別の本では別の場面が強調され…、など、まるで同じ昔話を少しずつ違う角度から聞いているような感じです。

特に戦争体験の詳細さでいえば、「水木しげるのラバウル戦記」が際立っていて、私のおすすめの一冊です。
一方で、生き残ったことの運を強く感じたのは、「娘に語るお父さんの戦記 小さな天国の話」です。

激戦地での体験、負傷、マラリア、現地の人との交流――
そうした過酷な経験の中で、生き残ったのは奇跡的だな、と感じます。とても自分には置き換えられない過酷さです。

一枚の絵が語っているもの

複数の著書で使われている絵があります。マラリアの高熱に浮かされてジャングルの中で倒れていた場面を描いた一枚です。

そこに描かれているのは、人間ではなく、圧倒的な自然です。画面のほぼ全てに緻密な点描で草木や蔦が描かれています。
よく見ると水木しげるさん本人が小さく描かれているのですが、画面全体から見ればわずかな存在です。

どう言葉にすればいいのか難しいのですが、一枚の絵で多くを伝えるというのはこういうことか、と思わされる圧巻の作品です。是非一度見ていただきたいです。

著作

現時点で読んだ本を簡単にご紹介します。

一冊目:
『ゲゲゲの人生 わが道を行く』
水木しげる 著 日本放送出版協会

当時の生活の様子が伝わってくる漫画の一部や写真資料、雑誌のような見出しやページ構成で、私が読んだ一冊目としては、とてもキャッチー。導入の一冊として私の心を鷲掴みしました。

二冊目:
『総員玉砕せよ! 』
水木しげる 著 講談社文庫

戦記漫画作品。代表作の一つ。

三冊目:
『水木しげるのラバウル戦記 』
水木しげる 著 筑摩書房

詳細な従軍記。挿絵が全ページ上半分に掲載されています。当時現地で描いた鉛筆スケッチ画で、一部パステルで色も使われています。水木しげるさんの緻密な絵とはまた違って、サラサラと短時間で描いたようなものもあり、その画力も見どころです。内容は重く、ユーモアは少ない。読んでいて辛いところも多くありました。

四冊目:
『ねぼけ人生 』
水木しげる 著 筑摩書房

戦後の生活や漫画家としての過程が印象的。貧しさと労働のリアルが伝わってきます。戦後復興の中、雨後の筍のように出版社ができていたのも伝わってきますが、同時にどこもお金がなかったことも伝わってきます。

五冊目:
『娘に語るお父さんの戦記 小さな天国の話 』
水木しげる 著 筑摩書房

語り口がやわらかく、「生き残ったことの意味」を強く感じる一冊。
私も祖父が従軍しているだけに、自分がこの世に生まれてきたことも奇跡だと感じます。

何冊も読みたくなるのは、もしかすると、他人事ではないと感じるからなのかもしれません。

祖父は私が生まれるずっと前に亡くなっているので、その体験を直接聞くことはできませんでした。

なので、水木しげるさんの著作を読んでいると、
自分がここに生まれてきたこと自体が偶然の積み重ねなのだと実感します。

将来世代にどう届くか

今は子どもに妖怪の本を買っていて、たまに本棚から出して読んでいます。
いつか大きくなったときに、今回ご紹介した本にも手を伸ばしてくれたらいいなと思っています。

私は水木しげるさんを、もともとは子供の頃テレビで観ていた「ゲゲゲの鬼太郎」で知り、そこから時間を経て、戦記にたどり着いたという意味では、漫画やアニメの力は大きいと感じます。
本当にこれらの本に出会って良かったなぁ、通り過ぎずに済んで良かったと感じています。
まだまだ多くの作品があるので、ちょこちょこ集めていくつもりです。

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