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2024.06.03
介護、認知症急増に対する企業側の取り組みについて
代表の中野です。
驚愕する数字です。
5月9日付け日経新聞一面記事は、
「認知症、迫る7人に1人 仕事・介護の両立困難なら損失9兆円」
という見出し記事でした。
厚生労働省研究班が推計した発表によると、2030年には認知症の患者数が523万人にのぼる見通しです。
実に高齢者の7人に1人が認知症ということになります。
この驚くべき数字を自社にあてはめてみます。

当社の従業員は現在約60名ほどです。
面倒を看るべき親が2名(※)と仮定した場合、社員が関わる潜在的な高齢者は120名になります。
※配偶者の両親、片親、親が65才未満のケースは便宜上ここでは対象外とします。
120名のうち、7人に1人(14%)の17名は認知症です。
60名ほどの中小企業の規模でも、17名もの認知症の高齢者が関わっていることになります。
いかに身近に起こりうるリスクであるかがわかります。
10年前に亡くなった私の母親も、70代で軽度認知症(MCI)を発症しました。
そのうち介護認定になり、身体も不自由になったことから、身内の1人が仕事を退職して身の回りの面倒を看ることになりました。
まさに問題視されている「介護離職」です。
仕事と介護を両立することを「ビジネスケアラー」といいます。
自身の経験からも、これから確実に起こる「ビジネスケアラー」問題を危惧しています。
政府や行政の制度、テック事業者のイノベーションを待つだけでは間に合いません。
企業自身が積極的に取り組むべきことは二点です。
柔軟な働き方制度の導入
1点目は柔軟な働き方制度の導入です。
最近気になるのが、テレワークは認めているものの、週に*日や月に*日など日数制限を設けるケースです。
当社には、テレワークで働きながら自宅で介護認定を受けている親を看ている社員がいます。
本人曰く、「コアタイムなし完全フレックスと、フルリモートワークだからなんとか対応できてます」ということでした。
介護も育児と同様です。
職種にもよりますが、可能な範囲で出社制限を撤廃する企業が増えていくべきだと考えます。
健康に対する啓発活動
2点目は社員自身の健康に対する啓発活動です。
自分が健康じゃないと、要介護者のことを考える余裕は生まれません。
毎年の健康診断において、当社の生活習慣病予防健診受診率は95%です
※参考:協会けんぽ福岡支部:45%
健診費用も10000円(女性社員は15000円)まで会社で負担し、積極的にオプション健診も進めています。
今年3月、2024年健康優良法人に認定されたのを機に、希望する社員全員に血圧計を支給いたしました。
引き続き社員の健康増進に対する啓発活動と、働きやすい環境づくりにつとめていく所存です。