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2023.07.10
インテグリティ精神について考えてみよう
こんにちは。経営管理部の本多です。
前回(2023年1月30日付)の私の担当記事(2023.01.30『バスケットメンバー募集中です!』)にて、子供のミニバスチームの代表とアシスタントコーチを務めることになったという内容で書かせていただきました。
5月に行われた福岡市のミニバス協会の総会に出席した際に、インテグリティ講習というものを受けまして、そこで初めてインテグリティという言葉を知りました。
インテグリティとは、「誠実さ、真摯さ、高潔さ」を意味する言葉だそうです。
バスケに関わる全ての人(選手、監督・コーチ、スタッフ、審判、保護者、観客など)が、インテグリティの精神を持つことで、バスケットボールというスポーツの価値をより高めていきましょう、ということのようです。
ただ、このような方針を掲げているのは、残念ながらバスケットというスポーツにおいて、過去に暴力・暴言等の事件が起きていることや、日本スポーツ協会の相談窓口への相談件数が、他のスポーツよりも多いという事実があり、それを改善しなければいけないという課題を抱えているためです。

バスケットボールにおける反則行為をファウルと言いますが、
その中でも、スポーツマンシップに反する行為や言動に対して適用されるテクニカルファウルというものがあります。
このテクニカルファウルは、コート内でプレーしている選手だけでなく、監督、コーチやベンチにいるプレーヤーも対象となり、下記のような行動や言動が該当します。
1.コーチのプレーヤーに対する暴言
(1)人格、人権、存在を否定する言葉
具体例
最低、クズ、きもい、邪魔、出ていけ、帰れ、死ね、てめえ、この野郎、貴様
(2)自尊心を傷つける、能力を否定する言葉
具体例
役立たず、下手くそ、アホ、バカ
(3)身体的特徴をけなす言葉
具体例
チビ、デブ
(4)恐怖感を与える言葉
具体例
殴るぞ、しばくぞ、ぶっとばすぞ、帰りたいの︖、試合出たくないの︖
2.コーチの暴力的(攻撃的・虐待的含む)振る舞い(行動・行為)
(1)殴る・蹴るなどを連想させる行為
(2)プレーヤーと近接(顔の目の前、腕一本分より近い距離)して高圧的威圧的に指導する行為
(3)「おい︕」「こら︕」と大声でプレーヤーを高圧的威嚇的に指導する行為
(4)継続的、かつ、度を超えた大声でプレーヤーを指導する行為、いわゆる怒鳴りつける行為
(5)物に当たる、投げる、床を蹴るなどの行為
3.第三者が不快と感じる振る舞い(行動・行為)
(1)不潔な服装、裸足やスリッパでの指導
実際に、私も練習試合や大会等で、他のチームの指導者が上記のような、あるいはそれに近い言動を行っているのを何度も目にしました。暴力についてはさすがに見たことはありませんが、暴言というか怒鳴りつけるような行為は普通に見かけます。
選手を強くするため、チームを勝利に導くために、指導者が選手に対して厳しく言いたくなる気持ちは十分にわかります。ただ、アマチュアのバスケット、ひいてはまだ精神的にも未熟であるU12のカテゴリーの選手たちに高圧的な態度で人格を否定するような言葉を吐いているコーチを見ると、それが例え強いチームであってたとしても、それで良いのかと常に疑問に思います。
試合でミスをした選手を「練習でできていたことが、何で試合でできないの!?」などと
厳しく責めるコーチがいます。
それを見ると私は「指導者であるあなたの指導が悪いからだろう」と思います。
もちろん、ミスをした原因はいろいろあると思います。緊張していたり、体調が完璧ではなくパフォーマンスが下がっていたり、経験が足りなかったり、練習の時よりも相手選手のスキルが高かった等の理由もあるでしょう。
もし選手が練習に取り組む姿勢が悪く、それを指摘したいために上記の言葉を投げかけているのであれば理解はできますが、そのように見えることは今までありませんでした。
そのような光景を見ていると、自分の感情を発散させているだけとしか見えない指導者が依然として多くいるのではないかと思ってしまいます。試合の勝敗はもちろんのこと、選手のミスや練習態度も含めて指導者の責任であると私は考えます。
私であれば、何でできなかったのか過去のことを掘り返すよりも、できるようになるためにどのようなスキルを伸ばす必要があるかを話し、そのスキルを身につけさせるためにはどのようなアドバイスや練習メニューが有効であるか、どのようにモチベーションを上げるか等を考えます。
厳しく叱ることが問題とは全く思いませんし、選手の反省も必要です。
また、勝ちにこだわることも大事だと思います。
ただし、指導により選手が過度のストレスを受けたり、バスケが嫌いになるようなことがあれば許されないことだと考えます。選手を指導する一方で、指導者も自分を省みる必要があると思います。
私が指導する時に常に心がけていることは、バスケというスポーツの楽しさを少しでもわかって欲しい、ということに尽きます。
今後もインテグリティとは何なのか、考えることを忘れず笑顔でミニバスに関わっていきたいと思っています。
