Blog

BLOG

2022.03.07

格闘家のようなキーエンスに学んだ三つのこと

このエントリーをはてなブックマークに追加

代表の中野です。

弊社のミッションは
「最適な技術とサービスにより、社会の生産性向上に寄与する」です。

そのミッションにも掲げている「生産性向上」ですが、日本の上場企業で特に生産性が高い企業がキーエンスです。

キーエンスは主に工場で使われるセンサーや制御機器のメーカーです。
製造業では知らぬ人はいない有名企業ですが、一般消費者にはなじみがないため、一見地味な企業に見えるかもしれません。

2月の日経ビジネスで、そのキーエンスが特集記事で取り上げられていました。

特集記事の題名は「解剖キーエンス」。
その強さを解剖して暴く、という主旨です。

キーエンスの実力について各種数字で紹介されているのですが、「開いた口がふさがらない」とはこのことです。

まず時価総額ですが、日本の上場企業では、トヨタ、ソニーグループに次いで第3位です(2月9日時点)。
NTT、リクルート、ソフトバンクグループなど、世間一般に知られている有名企業より上位です。
投資家や市場から、それだけ成長性と実力が認められているという証拠です。

社員の平均年収は1751万円です(21年3月期有価証券報告書)。
トヨタ自動車(858万円)の2倍であり、高年収企業の代表格、総合商社の三菱商事(1678万円)をも上回ります。

自己資本比率は95.2%です。
高い利益率に加え、ファブレスを貫き、固定資産や設備投資などを省いてきたことも要因でしょう。
もちろん無借金経営です。

あきれるばかりの数字が並びますが、そのなかで最も驚愕すべきは営業利益率です。
21年4~12月期の営業利益率は、なんと55.4%!
サブスクがヒットした中小IT企業などではありうるかもしれませんが、年商1000億円を超えるメーカーでは聞いたことがありません。
製造業平均が3.1%、生産性の高さで知られるファナックでさえ25.9%です。
いかにキーエンスの営業利益率が脅威的であるかが分かります。

経営手法もまた独特です。

  • ワイシャツは白
  • 顧客との飲み会禁止
  • 社内へのスナック菓子などの持ち込みは禁止
  • 上司から部下への飲み会の誘いは禁止(部下からはOK)
  • 会話での役職呼称は禁止、「さん」付け
  • 会議室の上座にも先に入室した新入社員が座る
  • 毎日提出する外出報告書は分刻みで記入
  • 部下の報告書をみて、上司が客先に電話する(ウソがばれることもあり)

賛否両論はあるかもしれませんが、このような文化や規則が歴然と存在し、仰天するような数字をたたきだしているのがキーエンスという会社です。

今回の特集記事で、改めて私が学んだことは以下の三点です。

部署を超えた情報共有

キーエンスでは、すべての情報を社内で進んで共有する仕組みがあります。逆に社員が情報を独り占めしたり、共有しない行動は「ダサい」とみなされます。セクションの垣根を越えてお客様の情報を全社で共有し、その情報を元に他部署からさらに提案を試みたり、新たな製品開発に反映されます。

徹底した直販体制

キーエンスは代理店、商社を通さず全て直販体制です。私はそれを当初、利益率を高めたいからだと思っていましたが、決してそうではありません。
上記1にも関連しますが、直販の最大の目的は、お客様の声(困りごと)をキャッチし、その声を製品に反映させることです。商社や代理店経由では、お客様とのやりとりにフィルターやタイムラグがかかります。決して利益優先ではなく、利益は別の目的の後からついてきていることがわかりました。

目標意識・目的意識・問題意識を持つ

キーエンスの社内では、「なんで?」「目的は?」の2語が飛び交うそうです。
その仕事は何のためにするのか?
そのやり方は最適なのか?
こういった思考の習慣化が、生産性向上につながるのでしょう。

脂肪(無駄なコト)をそぎ落とし、攻撃力(マーケティング、営業、製品)を徹底的に強化して、最大の利益率をたたきだす。

その姿はまるで鍛え抜かれた格闘家のようです。

キーエンスの創業者である滝崎名誉会長ですが、若くして起業したものの、2度の倒産を経て、1972年にリード電機(キーエンスの前身)を創業されています。いわば3度目の正直で現在の強靭なキーエンスを作りあげられたことになります。

ドラッカーの名言に「企業文化は戦略に勝る」があります。偉大な企業文化を作り上げられた滝崎氏には、ぜひとも日経新聞「私の履歴書」に執筆いただき、成功の裏に隠された失敗談をお聞かせいただきたいものです。
ただ、執筆の「目的」に対する回答が見つからなければ、あっさり辞退されそうですけど。

カレンダー

«3月»
日 月 火 水 木 金 土
  1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31   

最近のエントリー

独自の音声入力アプリを作成してみた

2026.10.26

便利な音声入力アプリを、社内のみんなにも使ってほしい。でも、全社員分の利用料を考えると導入をためらってしまう――。そんな課題をきっかけに、AIエージェントを使って独自のアプリを作ってみました。いきなりコードを書かせず、まずは課題と設計を整理することからスタート。実装やテスト、不具合の修正を経て、1日である程度使える形になるまでの進め方を紹介します。「作るか、買うか」を考えるヒントになる開発体験記です。

門司港で南極観測船「しらせ」を見学してきました

2026.10.19

南極へ向かう船の中は、どうなっているのでしょうか?14年ぶりに門司港へ寄港した南極観測船「しらせ」の一般公開に行ってきました。間近で見る全長138mの船体の迫力や、甲板・艦橋などの見学を通して、遠い南極での活動がぐっと身近に。街では南極の氷や石の展示、しらせのレシピを使ったカレーも楽しめるなど、寄港を歓迎する催しが行われました。見学で印象に残ったことや、周辺イベントの様子をご紹介します。

子どもも大笑い、懐かしい物語 プロイスラー作『大どろぼうホッツェンプロッツ』を読み返して

2026.10.13

子どもの頃に親しんだ『大どろぼうホッツェンプロッツ』を、小学2年生の子どもに読み聞かせて再発見した物語の魅力。魔法使いと少年の愉快なやりとり、おいしそうな食べ物、ハラハラさせる描写など、三部作それぞれの味わいを紹介します。懐かしい『セロ弾きのゴーシュ』との再会にも触れながら、親子で一緒に笑い、本のおもしろさを分かち合える今の時間を大切にしたいですね。

「出社回帰」の時代に、SUNBITがテレワークを続ける理由

2026.10.05

「出社回帰」が広がる今、SUNBITがテレワークを続ける理由とは?通勤負担の軽減や、家族との時間、休養、自己研鑽など、柔軟な働き方には多くの価値があります。対面交流の良さも取り入れながら、社員の健康と自律性、仕事の成果を大切にするSUNBIT。一人ひとりが力を発揮できる働き方への考えをお伝えします。

アーカイブ

ブログ内検索

  1. TOP
  2. BLOG
  3. 格闘家のようなキーエンスに学んだ三つのこと