2017.12.12
こんにちは、代表の中野です。

11/28〜12/1に東京ビックサイトで開催された、2017国際ロボット展(IREX)を視察してきました。
今回のロボット展の一番の目玉は、なんといっても協働ロボットです。
2013年に規制緩和され、一定条件を満たせば、ロボットを囲う安全柵が不要となりました。
これにより、人間とロボットがすぐ隣同士で連携しながら作業することが可能となります。
会場内はロボットメーカー各社による、「協働ロボット」のPR合戦の様相を呈していました。

その中でも、THKの協働ロボット「ネクステージ」のブースはひときわ賑わっていました。
SFチックで、映画界にスカウトされそうな外観です。

来場者にビールを振舞ってくれているのは、ドイツのメーカー、KUKA社の協働ロボット。
さすがビールの本場だけあって、泡のたて具合もお見事です。
変なホテルを運営しているHIS社は、新たに「変なバー」を展開しはじめました。
バーテンの代わりがロボット、という時代はすぐそこです。
もちろんビールだけではなく、シェイカーを振ってカクテルまで作ってくれる。
さらにAIで自分の好みに応じたオリジナルカクテルまで作ってくれたら言うことなし。

ABB社の協働ロボットYuMi(ユーミィ)は、本来は双腕ですが片腕だけで製品化されていました。
7軸で複雑な動きも可能ですし、省スペースでも設置可能です。

デンソーロボットはせっせとお弁当詰めに精を出します。
衛生面にも配慮し、ロボットジャケット着用です。
普段何気なく食べているスーパーやコンビニのお弁当ですが、惣菜工場では大変な労力がかかっています。
今のうちに省人化を進めないと、近い将来、お弁当が食べられなくなる日がくるかもしれません。

米HEBI robotics社の荷物運搬ロボット。
外見や動きがユーモラスで、倉庫の癒し系マスコットになりそうです。

(左:川崎重工、右:ABB)
IREXの開催前日に、ABB社と川崎重工の双腕ロボット分野での提携が発表されました。
ライバル同士のいきなりのアライアンスに、驚いたのは私だけではないはずです。
しかし、協働ロボットの市場拡大という意味では、個人的には悪くない取り組みだと思います。


無人搬送車(AGV)の出展が多かったのも特色の一つです。
運送、物流、倉庫はもろに少子高齢化の影響を受けている業界の一つです。
AGVを導入する場合、通常は走行ルート上に磁気テープや磁気マーカーの敷設が必要となります。
しかし、オムロン社の自動搬送ロボット(右写真)はマップ上のゴールを設定・指示するだけで、独自のルート検索アルゴリズムにより、自動で選択して走行するという、なんとも賢いAGVです。
参考までに一台当たりの値段を聞きましたら、「高級自動車くらいです」、という回答。中小企業への普及には価格がネックになりそうです。

こちらはメーカーではなく、商社さんのブース。
ABB、川崎重工、ユニバーサル社など、複数のロボットメーカーを扱っているとのこと。
商談件数に対して、ロボットをエンドユーザーに納品するシステムインテグレーターが圧倒的に不足していて大変困っているとのことでした。

三次元画像認識も省人化を阻む課題の一つ。
この分野でも数多くの企業が出展していました。
こちらのデモでは、箱の中にばら積みされている製品を、三次元カメラで認識して協働ロボットでピックするというデモです。
そこそこ精度はありますが、速度は遅く、食品などに多い不定形なワークには対応できていません。
実用レベルに達するにはもう少し時間がかかりそうです。

こちらは、中国のパンゴリン・ロボットというメーカーの配膳ロボット。
今年、日本法人が設立されたそうです。
このロボット、以前テレビで見たことがありました。
人手不足は中国でも深刻ですが、なんでも中国の飲食店に2000台ほど納品しているそうです。(※説明員情報)
面白いですが、通路が狭い日本の飲食店への導入はハードルが高そうです。
「国際」ロボット展の名前の通り、ざっと見で来場者の1〜2割くらいは外国人でした。



三菱電機ブースのディスプレイは国際色豊かな来場者に配慮し、一定間隔で英語、中国語、日本語の三ヶ国語に変化していました。
主催者によると、今回の出展企業数は612社で過去最大、来場者も13万人とこちらも前回を大きく上回ります。

人気ブースの周辺はこのような人だかり。
人混みをかき分けかき分け、展示ブースを回ります。

コーヒータイムの場所取りも一苦労でした・・。
メーカー間の競争によって、協働ロボットを中心にラインナップが充実してきました。
どれを選べばよいのか迷ってしまうくらいです。
一時期流行りであったパラレルリンクロボットは、協働ロボットに押された形で今回は出品数が大幅に減少していました。
中にはパラレルリンクロボットの販売を止めたメーカーもありました。
パラレルリンクロボで解決できる市場は、それほど大きくないという経営判断なのでしょう。
韓国や中国など、これまであまり聞いたことがない海外ロボットメーカーも数多く出展していたのも特徴でした。
国内でも独自ロボットを製品化する「中小ロボットメーカー」が誕生してくると予想されます。
EVと同じ構図です。
それらのトレンドにより、ロボット本体価格も徐々にこなれていき、中小企業にとっては予算面でも導入しやすくなってくるでしょう。
しかし、いくら高機能で種類が豊富になったとはいえ、それで顧客にロボットを導入できるわけではありません。
センサの高度化、ロボットハンドの選択&開発力、AI、IoTなど周辺技術をシステムとして構築し、初めてロボットによる省人化は実現します。
そういう意味では、私たちのようなシステムインテグレーターの役割と事業の社会的意義を強く感じました。
「少子高齢化、人手不足に悩む製造現場を救うのは我々の使命である」、と。
展示会場からの帰りしな、「最新技術の収集に努め、さらに研鑽を積まねば」と改めて思った2017IREXでした。
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