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2022.05.09

蜂蜜は健康食品と言えるのか?

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 はちみつは好きですか?

こんにちは、経営管理部の野口です。
連休はいかがお過ごしでしたか?私は4月から幼稚園&預かり保育でフル稼働の子供のぶり返す風邪の看病で、大人しく過ごしていました。例年連休は雨に降られることが多いように思いますが、今年は晴れ間が多かった代わりに激しい気温差がこたえた方も多かったのではないでしょうか。

風邪をひけば、コロナかな、の日々。風邪症状があれば病院受診で検査をし、ひとたび陽性にでもなれば幼稚園や学校、仕事を休まなければならないのは、感染症がこわいというより、このルールに怯える毎日です。

さて、これまでコロナ禍以前は多くの人がそうであったように、私自身も健康のための食事を意識したり運動習慣があったわけではありませんでしたが
コロナ禍をきっかけに、人生でおそらく初めて、健康に関心を持つようになってきました(年齢的にも)。

しかし情報の集め方も怪しいもので、ネットや動画配信などの情報がどのくらい正しいのかもわからないので、とりあえず目についたものを試す、といった手の付け方で、今後どのくらい習慣として残っていくのかな、と探り中であるのが今の現状です。

そこで、感染症対策、予防という観点から、抗菌とか免疫力への関心も高まり、これまであまり得意ではなかった「蜂蜜」にも手を伸ばし始めました。

今日はそんな健康初心者である私が蜂蜜を食習慣の一つにすべく「蜂蜜は健康食品と言えるのか」について書いてみました。
いくつか試した蜂蜜の感想も最後にまとめています。

はちみつの効能・栄養

蜂蜜には豊富な栄養や抗菌作用があることは栄養学などに詳しい人でなくともご存知の方は多いと思います。

皆さんも風邪をひいて喉が痛くなったり、口内炎や口角炎ができた時などは蜂蜜を口に含んだり、塗ったりしたことがあるのではないでしょうか。

甘味料なのに、虫歯予防にもなる、というのも見かけてにわかに信じがたい情報も見かけます。

栄養成分を見てみると以下の通り、これだけ栄養豊富であれば毎日の食生活に取り入れておけば安心だと思わされます。

  • ブドウ糖や果糖(上白糖と同じ量よりも甘みも強いのに上白糖よりも低カロリー)
  • 豊富なミネラル(ナトリウム、カリウムやリン、カルシウムや鉄、亜鉛、マグネシウムなど)
  • 様々なビタミン(B1、B2、Cなど)
  • 酵素、アミノ酸や有機酸、ポリフェノール…

しかしこのあたりが栄養学などの知識がない初心者には要注意な情報の見方なのですが、これらの栄養素がその他の食品よりも多いわけではないんですね。
調べる時は、100gあたりどのくらいなのかを見たいところです。
ビタミンなどは野菜や果物で摂取した方が圧倒的に効率的だと思いました。

蜂蜜としては、まず第一に「甘味である」ことが大きな特徴です。
上白糖よりも少量で甘く低カロリーですので、上白糖の代わりに蜂蜜を使う、というのが健康的な蜂蜜の使い方なのだと思います。(高コストであることは間違いありませんが。)

はちみつの抗菌性とは?

蜂蜜がスーパーフードと言われるのは、これに留まらず抗菌性を持っていることではないでしょうか。

しかし、この記事を書くにあたって、「純粋ハチミツが必ずしも抗菌効果をもつとは限らない」という論文を見つけましたので、どうやら全ての蜂蜜に抗菌作用があるとは言い難いようです。
蜂蜜をつくってくれた「ミツバチが採集した蜜源によっては」抗菌性が期待できる、といったところでしょうか。

このあたりから、「せっかく甘味料以外の効能に期待して蜂蜜を摂取するのだから、よく調べて購入しよう」と更に関心が湧いてきたのですが
まず抗菌性に期待するならば、有名なニュージーランド産のマヌカハニーでしょうか。

調べてみると、「メチルグリオキサール」という成分がマヌカハニーの抗菌性に起因しているようです。

マヌカハニーの商品には、このメチルグリオキサール(MGO)濃度を示す数値が表示されていたり、
品質基準としてUMF協会がメチルグリオキサールを含む成分を数値化したり、製造番号が発行されています。

UMFには5+から25+まであるそうですが、そもそもこのUMF協会がなぜ発足して品質保証をしているかというと、
偽造品やメチルグリオキサールを人工的に添加したりということが起きたからのようです。
偽造品が出回る時点で、既にブランドが確立している証左ではありますが、元々自然由来のものの品質保証をするのはとても大変そうですね。
最終的にはミツバチにどこの花から採取してきた蜜なのか、と尋問するしかないのでは…。

しかし実は、いま既にそれに近い状態ではあるようなのです。

DNA検査を経て、「マヌカの花のみ(モノフローラル)」なのか、「マヌカ以外の花も吸ってきました(マルチフローラル)」なのかを、消費者はその基準値からわかるようにしているということなので、そのラベルが確かなものであれば一応安心して購入できそうです。

ちなみに私が購入したものは、QRコードで製造上のバッチナンバーも知ることができ、保証書を閲覧できる仕組みでした(それ自体も偽造品でないことを祈ります)。

マヌカというのはニュージーランドにしか生えていないのかな?と思って調べてみると
日本でもフトモモ科のギョリュウバイという名前で園芸用に流通しているようです。花がたくさんつく低木だそうですよ。
日本でもマヌカハニーが作れる…?

ニュージーランド産のマヌカハニー以外に抗菌作用のある蜂蜜がないか調べてみると、ありました。

オーストラリア産の「ジャラハニー」です。

フトモモ科のユーカリノキ属のジャラという、40mほどの背の高い、建材として使われる木に二年に一度つける花が蜜源となるようです。

こちらは、黒糖のような味で(色も黒っぽく、透明)なめらかな舌触りです。こちらは「グルコースオキシダーゼ」という酵素による過酸化水素の働きで抗菌性がある、ということでした。

こちらはTA(Total Activity)という指標で表されています。抗菌活性力はマヌカハニーよりも高そうです。

流通量や知名度はマヌカハニーに比べるとマイナーな印象がありますが、ジャラハニーにも偽造品の流通があったようで、品質保証の体制があるのだと思います。

さて、食品中の抗菌性…といったときに、素人目にもなんだかざわざわしませんか?

論文も多数あるようですが、やはりまだまだ研究の途上のような印象を受けます。

風邪の菌やウイルスで喉がイガイガしている時や、口内炎、裂傷や火傷などにはその抗菌力は発揮するようにも思えますが、
唾液にも酵素は含まれていますし、胃酸などを経て、その抗菌成分がそのままの状態で効果を発揮するのか疑問ですよね。

実際に、ピロリ菌を殺菌するとうたっているものも多いようですが、それはシャーレ上の話であって、実際の保菌者に対して実験されたわけでもないようなので、あまり謳い文句を鵜呑みにするのも危険です。

とはいえ、私も喉が痛くなれば蜂蜜を口に含みますし、子供の擦り傷にはマヌカハニーを塗って絆創膏を貼ったりしています。

はちみつは安全な食品?

さて、ちょっと話は戻りますが、
蜜源自体に抗菌成分の前駆物質が存在するからこその抗菌性であるとすると、
当然その草花や樹木に農薬や除草剤などの人体に害のある化学物質の影響がないか、が心配になりませんか?

私はちょっと気になったので、調べてみました。

すると、ありました。

偽造品の次は、「マヌカハニーから除草剤の成分が検出された」というものです。

健康食品であるからこそ、高価だからこそ、ショッキングなニュースですね。

検出されたのは、除草剤の主成分である「グリホサート」です。

グリホサートについては、ご存知の方も多いと思いますが、発がん性があると言われていますし、体内に蓄積されれば神経系、免疫系にも多大な影響を及ぼす化学物質のようです。

この除草剤の歴史はベトナム戦争あたりまで遡りますが、消費者運動や訴訟問題に至ったのは2000年以降と、最近といえば最近です。

しかし、残念ながら日本でこの除草剤は、スーパーやホームセンターで手軽に購入することができ、近所の空き地や公園、街路で使われていることも少なくないようです。

除草剤や農薬についての日本の基準値などは、ぜひ調べてみてください。

これら農薬や除草剤の成分、遺伝子組み換え食品や食肉へのホルモン問題、国によっての基準値の違い、輸入状況などは、調べているとちょっと沼にはまりそうです。(国産だから安全とも言い切れないところもあり、かなり複雑な状況です。)

そこで、ちょっと考えてみました。

蜂蜜に関しては、除草剤が検出されやすいのはクローバーや百花蜂蜜(マルチフローラル)系かな、とか、
グリホサートの国別利用状況を知れば、購入の指針になるかもしれません。
また、ミツバチが花蜜を採取する範囲は巣箱から2km範囲と言われたり、10kmと言われたりと、養蜂場によって主張は違うようですが、広めに10kmと考えて、巣箱を農薬や除草剤を使っている農場から10kmは離して設置していますよ、と言っている養蜂場から購入する、であるとか、
オーガニック(無農薬)食品生産の盛んな国のものを選ぶ、など
様々な観点から選ぶのがいいのかな、と思います。
その観点でいうと、グリホサートを問題ないとしている日本で、基準や品質保証も設けられていない国産蜂蜜は、安全とは言いにくいなぁ、と感じています。

上白糖の代わりに使う甘味料としてであれば、安価な中国産やグリホサート検出率の高いカナダ産、アルゼンチン産の蜂蜜でもいいと思いますが、
ある程度の抗菌性に期待するならば、(偽造品に注意して)先述のニュージーランド産のマヌカハニーやオーストラリア産のジャラハニーあたりがいいな、と考えています。

はちみつ食べ比べ

マヌカハニー UMF 10+ MG 263+内容量:250g

ニュージーランド産

透明ではなく、濁っています。一般的な蜂蜜とは全く違う味、舌触り。
好みはわかれるかもしれませんが、個人的に濁った蜂蜜は好きです。
いくつかマヌカハニーの種類を試しましたが、こちらはQRコードでUMF認定の検査証を確認することができました。
UMF 10+のものしか買ったことはないと思いますが、味はどれも同じだった記憶があります。若干硬さが違った程度でしょうか。数値が高いものは苦味も強くなってくると思います。お財布事情から、UMF 10+以上を試すことはできませんが…。

ジャラハニー TA 30+内容量:140g

オーストラリア産

透明。なめらかな舌触り。黒糖のような香りと味。
好みはわかれるかもしれません。
マヌカハニーよりも更にクセのある風味です。
TA20+以上をおすすめするサイトが多いですが、TA30+だと、マヌカハニー10+のちょうど2倍のお値段か、それ以上。
こちらもラベルに製造番号や認証ロゴが確認できます。

ネクタフロー はちみつ 高山植物内容量:250g

スイス産

透明。若干の黒糖のような風味が一瞬するも、酸味もあって、華やかさのある味。
甘すぎず、水分も多めで使いやすい印象。
お値段的にもパンやヨーグルトに添えて普段使い。
スイスとあるが、採蜜国は不明。また、高山植物ということで除草剤から遠い印象はあるものの、品質保証や認定などがあるわけでもないので、安全かどうかは「雰囲気」勝負。まずもって安価なので、甘味料としての使用に留めます。

ミエリツィア 有機百花ハチミツ内容量:400g

イタリア産

濁っていてザラつきがあることから若干ミルキーな印象。
酸味もあって、甘すぎず、単体でも美味しくいただけました。
クラッカーにのせて食べるととっても美味しかったです。
こちらは、星マーク(★)で葉っぱを描いたマーク「EUオーガニック規定認証商品」とあり安心です。

ミエリツィア 栗の有機ハチミツ内容量:400g

イタリア産

透明。少し渋さと、ジャラハニーよりも更に黒糖に近く、香りも独特。
後味も残ります。ちょっと苦手でした。用途に悩んでいます。
こちらも同じく「EUオーガニック規定認証商品」とあり安心です。

ブライトザマー アカシアハニー内容量:250g

ドイツ産

こちらの商品はアカシアはちみつということで、味はメジャーな、典型的なはちみつの味でした。個人的にはアカシアはちみつは苦手なので、単体ではなく、パンやクラッカーにかけて食べたい感じです。
ブライトザマーはドイツの1935年創業の会社で、こちらの商品の採蜜国はハンガリーのようです。この会社自体が世界の様々な認証を取得しているそうです。
ドイツではグリホサートの使用を2024年までに全面禁止のようですし、採蜜国であるハンガリー産のハチミツからグリホサートの検出実績もないようですので、ドイツ産やハンガリー産は、今後もいろんな蜂蜜を買ってみたいと思っています。

サクラ印 純粋はちみつ(メキシコ)内容量:300g

メキシコ産

一般的なはちみつの味です。安価なのでパンやヨーグルトが物足りない時、紅茶の甘味料として普段使いに。
こちらの商品はメキシコ産以外の情報がなく、蜜源は不明です。
メキシコ産はオレンジの花蜜のものが多く流通しているようですが、この商品は百花蜂蜜か、商社が独自にブレンドしているかもしれません。

サクラ印 純粋ひまわりはちみつ(ウクライナ)内容量:150g

ウクライナ産

ウクライナ産も流通量としては中国、カナダ、アルゼンチンに次いで多い方で、安価。グリホサート検出率も低くはありませんが、このひまわり蜂蜜は味が好みで、単体でよく舐めています。
多少のグリホサートくらい気にもならない、というくらい、個人的には美味しいです(クセはあるので好みは分かれるかと)。

カナダ産 純粋蜂蜜 50g増量内容量:1,050g

カナダ産

カナダ産蜂蜜は中国産についでスーパーなどで多く見かけます。
50g増量と、お得感満載。
安く大容量のはちみつを探していた時にスーパーで購入しました。
結晶化してしまったため、スプーンですくって、ホットティーに入れたりして使っています。

最後に

今回は蜂蜜に注目してみましたが、似たようなものは他にもたくさんあると思います。
健康のためだと思って食べていたもの、やっていたことが、実は有害だった、というようなことが。
どんなものもほどほどに、適量に、だいたいのところで手を打っておきたいところですね。

蜂蜜は健康食品と言えるのか?

総合的にみても、言えるのではないかな、と思います。
自然由来のもの、とも言えるのではないかな、と思います。
海の魚も、天然であれば水銀やトリチウムの心配を、養殖は餌の心配をするのと同じです。

日々の選択の中で、自分の健康状態や、予算、余命(苦笑)なども換算しながら、程よく納得のいくものを口にしていきたいな、と思う今日このごろです。

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