2018.12.03
こんにちは、代表の中野です。
AI・IoTなど、技術の進歩や世の中の変化がめまぐるしく、将来の予想が立てにくい時代と言われています。
私が尊敬する方に、セブンイレブンを創業された鈴木敏文氏がいらっしゃいます。
なぜなら、鈴木氏は前例がないことを次々と実現されてきた方だからです。

鈴木氏は、アメリカのセブンイレブンとライセンス契約を交わし、日本に初めてコンビニエンスストアを導入しました。
東京の豊洲に1号店が開業されたのは昭和49年です。
時は大量生産大量消費の時代。
ダイエーを筆頭に大型店舗の総合スーパーが小売りの主役でした。
ダイエーの社長であった中内功氏は、「コンビニは日本に根付かない」と断言されていたそうです。
皮肉なことに、その後ダイエーは倒産し、セブン&アイホールディングスは小売業界で売上首位に君臨しました。
いまではコンビニ店内の片隅に、当たり前のように鎮座しているATM。
実はコンビニに銀行(セブン銀行)を導入したのも鈴木氏が初めてです。
コンビニにATMがあれば便利だろうという顧客の立場に立った単純な発想によるものでした。

銀行事業は貸付融資で利益を稼ぐ収益モデルです。
取引手数料だけでは事業として成り立たないというのが、それまでの金融界の常識でした。
当時セブンイレブンと取引していたメガバンクの頭取が鈴木氏の元を訪れ、
「絶対失敗するのでやめたほうが良い」
と諫言されたそうです。
しかし、ここでも鈴木氏はあきらめません。
むしろ否定的な頭取の言葉に奮起したそうです。
機能を縮小するなどしてATM本体の製造原価を大幅に低減。
1日の取引件数が70件になれば採算が取れると踏んで、セブン銀行を設立しました。
現在、セブン銀行はグループの中でも高収益中核事業に成長し、ATMローンなど新たなサービスも展開されています。
セブンイレブンのヒット商品に金の食パンがありますが、これも従来の常識を覆すものです。
PB商品はメーカー品より安いのが常識だったのですが、
金の食パンは品質を上げて値段を高くするという逆ばりの商品戦略でした。
社内ではメーカー品より高いPBが売れるはずがないと全員反対したそうです。
しかし鈴木氏は、品質の良い商品であれば高いお金をだす顧客層が必ずいると仮説を立て、
商品開発、販売に踏み切った結果、大ヒットにつながりました。
これら以外にも、コンビニコーヒー(セブンカフェ)、コンビニおでんなど、
全て鈴木氏のアイデアで、前例がないものばかりです。

鈴木氏はよく人から、先見の明がありますねと言われるそうですが、
その鈴木氏が常に心がけていたことが、
「お客様の立場で考える」と「未来を起点にした発想」
の二点です。
鈴木氏の著書で心に残った言葉があります。
「人間は過去の経験の延長線上で考えてしまいがちです。
それは、これまでの延長線上で考えたほうが、楽だからです。
変化の時代には、楽なことほど危険なことはないのです。」
鈴木氏は30才で出版業界から小売り業界(イトーヨーカ堂)に転職した異端児です。
レジ打ちもしたことないし、バイヤー(仕入)経験もありません。
セブンイレブン創業期には、敢えて小売り経験がない素人を積極的に採用されました。
業界の先入観を排除したかったからです。
「お客様の立場で考える」
「未来を起点にして発想する」
お客様の立場で考えれば、最新の高度な技術ではなく、レガシーで安価なサービスの方が
為になるケースもあるかもしれません。
技術を生業にしている私たちも、最新技術や流行に振り回されることなく、
この二つの言葉を忘れないようにしたいものです。

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