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2021.01.06
「あらゆる経済変動を乗り越え、成長繁栄を持続する経営」について
代表の中野です。
新年あけましておめでとうございます。
旧年中はお取引先のみなさまには大変お世話になりました。
本年も社員一同一丸となって、お客様にとって「最適な技術とサービス」のご提供に全力を尽くしてまいりたいと存じます。
引き続き変わらぬご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。
2008年のリーマンショックは100年に一度の大不況と言われました。
2011年には、未曽有の被害をもたらした東日本大震災が発生しました。
そして昨年、100年前に世界中で猛威を振るったスペイン風邪をも凌ぐ勢いの新型コロナウイルスが、世界中を混乱に陥れました。
感染抑制のための外出・移動規制により、交通、娯楽、飲食などのサービス業は大打撃を受けています。
私たち経営者は、このような荒波にも背を向けることなく、企業を存続させていかなければならないという厳しい現実があります。
年末年始の休暇中、京セラ、KDDIの創業者である稲盛和夫氏の講話を読みました。
講演日は2009年11月、リーマンショックにより世界中の企業、とりわけ自動車・電機などの製造業の業績が大きく落ち込んだ頃です。
講演テーマは「経済変動を乗り越え、成長繁栄を持続する経営」です。
この講演では、あらゆる経済変動を乗り越え、企業が持続的な繁栄を実現するための要諦について、大きく二点述べられています。
まず一つ目は、「慎重堅実な経営」です。
稲盛和夫氏が創業された京セラですが、創業した年(1959年)を含めて、ただの一度も赤字決算をしたことがないばかりか、いくら不景気な年であっても経常利益率10%を下回ることがないという、日本でも折り紙付きの超優良企業です。
「売上最大、経費最小」を心がけ、その利益を内部留保として企業内に蓄えることによって、日本を代表する豊かな財務体質を誇る、無借金企業を作り上げられました。
70年のニクソンショック、73年のオイルショック、85年のプラザ合意、90年のバブル崩壊など数々の苦難にも遭遇されましたが、慎重な経営に努め、高収益の企業体質にしたことが、度重なる経済変動を克服し、京セラを今日まで導く原動力になったということです。
地震災害同様、平時から油断することなく有事への備えを怠ってはならないという教えです。
では、慎重な経営を心がければ良いかというと、それだけではありません。
二つ目は、「利他の経営」です。
自分だけ良ければいいというエゴ、つまり自らの欲望だけで動くのではなく、社員、お客様、取引先、そして地域社会など、企業を取り巻く全ての存在と調和するような、思いやりの心、利他の心で経営していかなければならないということです。
企業の倒産理由として、経済変動などの外部要因ではなく、経営者自らの資質の問題、いわば内部要因により、自滅していく企業も少なくないと言われ、稲盛氏もそういう企業や経営者を数多く見てこられたそうです。
いわば経営者の驕りや心のありようが企業文化の崩壊を招き、企業業績ひいては存続にまで影響を与えてしまうということです。
慎重堅実を旨とし、利害関係者に支えられていることを忘れず、自社の事業の目的と意義を明確にする。
コロナの収束がなかなか見通せない中、幾多の苦難を乗り越えて来られた名経営者の教えに触れ、
改めて気が引き締まる思いで迎えた2021年の初春でした。