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2024.11.18
フローの「変換」要素を使ってみた|Salesforce Winter '24
こんにちは。クラウドソリューション部の大城です。
今回は、 Winter '24 でリリースされたフローの “変換” 要素について説明します。
変換要素では、Salesforce のデータや外部システムのデータを Salesforce のデータ( Apex 定義型、テキスト、レコード、選択リスト、複数選択リスト、数値、通貨、 Boolean 、日付、日付/時間)に直感的な UI でマッピングを作成することができるようです。
実際に “変換” 要素を使用したフローを見てみましょう。
前提
まずは前提となる実装内容と事前準備の説明です。
実装内容
取引先画面に、紐づいている取引先責任者の数と金額の合計値を表示させたい
事前準備
以下の項目を作成
取引先 | 取引先責任者の総数(数値型) 取引先責任者の合計金額(通貨型) |
---|---|
取引先責任者 | 金額(通貨型) |
完成形
まず先に、作成するフローの完成形はこちらです。
フローの処理の流れ
- 取引先責任者が作成または更新されたときに起動
- 紐づく取引先が持つすべての取引先責任者を取得
- 変換要素で取引先責任者のレコード数と金額の合計値を取得
- 合計値を取引先項目へ更新(取引先責任者の総数、取引先責任者の合計金額)
処理内容
1.取引先責任者が作成または更新されたときに起動
- オブジェクト:取引先責任者
- フローをトリガする条件:レコードが作成または更新された
その他の設定はデフォルトのまま
2.紐づく取引先が持つすべての取引先責任者を取得
レコードを取得要素
- 表示ラベル:親取引先の全取引先責任者を取得
- API参照名:Get_Contacts
- オブジェクト:取引先責任者
- 絞り込み条件:AccountId 次の文字列と一致する {!$Record.AccountId}
- 保持するレコード数:すべてのレコード
3.変換要素で取引先責任者のレコード数と金額の合計値を取得
変換要素
- 表示ラベル:変換 取引先責任者→取引先
- API参照名:Henkan
選択した「ソースデータ」を「対象データ」に変換します。
はじめに取引先責任者のレコード数を取引先の「取引先責任者の総数」へ変換
- ソースデータ:②で取得した取引先責任者のコレクション
- 対象データ:取引先のレコード型
選択したソースデータの右側の◉をクリック
選択した対象データの左側の◉をクリックしてマッピング
選択すると画面が切り替わります。
集計の種別:計数 ←数値などの集計項目を合計する場合は「合計」を選択
これで取引先責任者のレコード総数を取引先のレコード型として変換できました。
次に取引先責任者の金額を取引先の「取引先責任者の合計金額」へ変換します。
先ほどと同じ手順で、ソースデータ(②で取得したコレクション)から
対象データ(取引先責任者の合計金額)へマッピングします。
今度は、レコードではなく取引先責任者の金額項目を合計する為
- 集計の種別:合計
- 変換する項目:金額
4.合計値を取引先項目へ更新(取引先責任者の総数、取引先責任者の合計金額)
レコードを更新要素
- ラベル名:取引先を更新
- API参照名:UpdateAccount
- オブジェクト:取引先
- 更新する条件:Id 次の文字列と一致する {!$Record.AccountId}
取引先 の項目値を レコード に設定:
- Count_Conatact__c ← {!Henkan.Count_Conatact__c}
- Gokekingaku_Contacts__c ← {!Henkan.Gokekingaku_Contacts__c}
フローを保存して動作を検証してみてください。
取引先責任者を更新すると、親の取引先が更新されるのを確認できました。
まとめ
1画面上で直感的に変換設定ができるのは便利だと感じました。
また、これまでは対象データはレコード型とApex定義のみでしたが、
Winter’25のアップデートによってその他のデータ型も使用できるようになったので更なるアップデートで使い道が広がりそうな気がしますね。
引き続き今後の機能拡張に期待したいと思います。