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2025.01.10
Salesforce のレポートの機能 〜複数のレポートを作成する時のテクニック〜
こんにちは、クラウドソリューション部 カスタマーサクセスチームの坂井です。
今回は、レポートのURLパラメータについて説明します。
大量のレポートを作成する時のテクニック
今回は、頻度は少ないかもしれませんが、大量のレポートを作成する時のテクニックをご紹介します。
Salesforce に30名のユーザーがすでに登録されていると仮定して、30人分レポートの作成が必要な場合、30個のレポートの作成が必要かというと、そうではありません。
実際に、30人分のレポートを作成すると、似たような名前のレポートが乱立して、検索がしにくくなります。また、新入社員や退職がいる場合、毎回メンテナンスが必要です。
この時に、1つのレポートを30名のユーザー情報を利用して30通りのパラメータを渡して、30パターンのレポートをアウトプットすることが可能になります。
このパラメータをユーザーオブジェクトを参照することで、ユーザー情報とレポートが連動するため、新入社員や退職が発生してもレポートのメンテナンスを不要にする方法があります。
ユーザーリストとレポートのURLパラメータを組み合わせることで、この方法が実現できます。
ただし、かなり特殊な方法でパラメータを呼び出すため、使い所が難しい機能でもあります。
レポートのURLパラメータの対象
まずは、レポートのURLパラメータから説明します。
Salesforce のレポートの検索条件は、レポートのURLパラメータを使うことで、レポートの条件を変更することが可能です。
仮に下記のような、Salesforce のレポートURLが存在するとします。
https://ドメイン/Report/レポートID/view?queryScope=userFolders
そのレポートの下図の検索条件の部分がパラメータで指定ができる部分になります。
検索条件は、デフォルトの条件と追加できる条件があり、追加できる方が対象になります。
1つ目の条件が「fv0」、2つ目の条件が「fv1」の項目として、次条件を割り振りします。
レポートのURLパラメータの設定
まずは、ベースにするレポートを設定します。(上図のレポートの設定)
パラメータを設定しない雛形のレポート
- https://ドメイン/Report/レポートID/view?queryScope=userFolders
レポート対象オブジェクト
- 商談
1つ目の条件
- 「商談所有者」、「一致する」、任意の名前
2つ目の条件
- 「完了予定日」、「一致する」、当会計年度
そこで、商談所有者を「テスト 太郎」のレポートにした場合は
https://ドメイン/Report/レポートID/
view?queryScope=userFolders&fv0=テスト%20太郎
というURLでレポートの出力が可能です。
この時に「%20」の文字列は半角のスペースになります。
URLにはスペースがないため、文字コードに変換されます。
カスタムレポートタイプでユーザーIDを追加すると、ユーザーIDでパラメータを指定できます。
今回は標準レポートタイプに存在する項目を使用しています。
さらに完了予定日を昨年度に変更すると
https://ドメイン/Report/レポートID/
view?queryScope=userFolders&fv0=テスト%20太郎&fv1=前会計年度
というパラメータでレポートの出力が可能です。
レポートを呼び出す方法
使う本人が、パラメータの指定方法を知っている場合は、
例えば、メールや Chatter の本文にリンクを埋め込むことが可能です。
使う本人が、パラメータの指定方法を知らない場合は
システム管理者が下記のような場所にURLを配置する想定をしています。
①ホーム画面のリッチテキストコンポーネントにレポートのリンクを表示
②ホーム画面のリストビューコンポーネントにレポートのリンクを表示
③レコードの詳細画面に、ハイパーリンク関数の数式のカスタム項目でリンクを表示
上記の①はユーザー名が固定の利用ですが、②、③はユーザー名が動的に変化する運用になります。
【動画内容】(8分半程度 ※音声が流れます)
- URLパラメータとは
- URLパラメータの利用
- レポートの作成
- パラメータの応用
まとめ
動的なURLパラメータの指定方法としては、数式のカスタム項目で、ハイパーリンク関数を使用します。
レポートの検索条件がユーザーの場合が、ユーザーオブジェクトに数式項目を作ることで、新規ユーザーが増える度に、ユーザー情報内にリンクが自動生成されます。
ユーザーが増えるとMFAの設定や権限セット、Chttar グループの設定などが必要になりますが、この方法によりレポートのメンテナンスの手間を軽減できます。
元のレポートは1つなので、不要になったら削除が不要なため、レポートの乱立を防げます。
また、30ユーザーいると仮定して、レポートに新たな項目が追加になったとすると、通常は30個のレポートを修正しないといけませんが、この方法では1つのレポートの修正だけでメンテナンスが終わります。
同じように、何百種類もある商品単体の売上レポートの作成もできます。
ただし、URLの呼び出しが可能な場所が限定的なので、使いどころが難しいです。一番のおすすめはリストビューとの組み合わせです。
次回は実際の設定を説明して行きますので、URLパラメータがどういった機能なのかをご理解頂けると幸いです。