2026.08.03
代表の中野です。
インドで興味深い出来事がありました。
政府による医学部入試の不正疑惑や行政への不信感を背景に、大規模な抗議デモが発生し、その結果、担当大臣が辞任する事態となりました。
デモを主導したのは、「ゴキブリ人民党(CJP)」と呼ばれる市民グループです。
インパクトが強いこの名称は、今年5月に同国の最高裁判所長官が失業中の若者たちを「ゴキブリ」に例えて侮辱したということが由来です。
CJPは、もともと一つの政党ではなく、若者を中心とした市民の不満や怒りがSNSを通じて集まり、運動へと発展した組織です。

CJPの登場によりモディ政権も揺らいでいるようですが、この出来事は決して政治だけの話ではなく、企業経営にも通じるものがあると感じました。
稲盛和夫氏は、「経営者は優秀な心理学者でなければならない」と述べています。
社員が何を考え、何に不満を感じ、何を期待しているのか。
その心の動きを理解できなければ、組織を正しい方向へ導くことはできません。
多くの場合、不満は突然爆発するわけではありません。
小さな違和感や不公平感、説明不足、あるいは「どうせ言っても変わらない」という諦めが少しずつ積み重なり、やがて大きな問題として表面化します。
社員が本音を言えない職場では、不満は決して消えているわけではありません。
ただ表面に出ていないだけです。
退職者が増えて初めて問題に気づく。
エンゲージメントが低下して初めて危機感を抱く。
そのような状況になってからでは、対応に多くの時間と労力を要します。
だからこそ、常日頃から、経営者は社員の声を「聞く」のではなく、「聴く」姿勢が重要です。
企業経営の現場においては、日々問題の連続です。
それらの問題が起こった時、果たして自分は一つ一つ丁寧に、誠実に対応しているのか。
CJPが誕生し、大規模なデモによって大臣が辞任するまでに至った出来事を、決して対岸の火事としてみることなく、自身を省みたいと思います。
2026.10.26
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